トーヨーバイオメタンガス発電所について
概要
国家戦略特区である兵庫県養父市は、ブランド牛「但馬牛」の飼育が盛んで「ブロイラー産業」発祥の地としても知られる地域です。
本事業は、主に市内の畜産農家のふん尿や兵庫県内外の食品加工会社の食品残渣をメタン発酵させ、発生したメタンガスにより発電をおこなうものです。発電後に副産物として生成される消化液は良質で安価な有機質肥料として同地域で作る特別栽培米やその他野菜にも使用します。
さらに、本発電所は通常メタン発酵に向かないとされる鶏糞を独自の技術にて原料にできるため、より多くの家畜ふん尿処理問題の省力化に寄与します。また、液肥は循環水再生処理をおこない、発酵槽の希釈水として施設内で循環利用ができるため河川放流の必要がなく環境に配慮した発電所となります。
また、本発電所の隣地には最先端農業技術の試験圃場を取り入れたトマトハウス施設の建設・運営を予定しており、この最新鋭のハウス施設栽培技術による安定供給で養父市のブランドトマトの確立を図ります。
「メタン発酵発電施設」と「植物工場」の各施設による雇用の創出、家畜ふん尿処理問題解決や有機質肥料の供給による地元農業への貢献などのシナジーを生み、エネルギーの地産地消モデルとなります。
バイオマス発電施設とアグリ事業の展開による効果
計画地図
全体フロー
施設のイメージ
施設概要
名称 |
トーヨーバイオメタンガス発電所
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所在地 |
兵庫県養父市大薮1155他(上記地図) |
面積 |
約9000㎡(約2723坪) |
発電規模 |
1426kW(一般家庭約1800世帯分) |
年間発電量 |
約12,000MW(24時間350日稼働予定) |
原料 |
家畜ふん尿、食品残渣、植物油 |
プラント方式 |
湿式中温メタン発酵 |
生産物 |
消化液、有機質堆肥 |
雇用予定人数 |
正社員10名予定 |
施主 |
株式会社トーヨー養父バイオエネルギー |
施工 |
株式会社トーヨー建設 |
プラント設計 |
株式会社トーヨーエネルギーソリューション |
肥料について
バイオガスを取り出した後に残る液体が『消化液』、消化液から分離した固形分が『固形堆肥』です。
これらは、有機質肥料となり農業に役立ちます。
消化液(即効性効果)
消化液は一時的に消化液貯留槽で貯留された後、バキューム車で農地に運ばれ、収穫後の水田や畑に液肥散布車で散布されます。施用後は、速やかに土壌と混ぜる(耕起する)ことでより窒素成分を有効利用できます。また追肥として施用することもでき、水稲・畑作と様々な場面でご利用いただけます。(均一に施用するためには,2~3t/10a 程度が 1 回の施用量となります。)
固形堆肥(即効性効果+緩効性効果)
固形堆肥は、メタン発酵直後のもので、完熟堆肥に即効性の液体肥料を混ぜたような肥効があります。
効果・メリット
・化学肥料の代替
・家畜糞尿と食品残渣をから生成されるため有機肥料としてご利用になれます。
・事業者が散布車を用いて散布するため、肥料散布の労力を削減できる。
・肥料代削減
栽培中の野菜について
栽培方法 |
栽培品種
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水稲栽培 |
コシヒカリ(苗・鉄コーティング)、他収米、WCS(飼料) |
野菜栽培 |
とうもろこし、ホワイトコーン、生姜、とうがらし、黒大豆、小松菜、なす |
牧草栽培 |
ソルゴー、青葉ミレット |
果樹栽培 |
ぶどう |
栽培予定品種
ひまわり、轟大根、大根、レタス、にんにく、岩津ねぎ、そば、キャベツ
たじまのおこめ コシヒカリ(苗)
当社グループの株式会社トーヨー養父農業生産法人は、兵庫県養父市の国家戦略特区内の株式会社トーヨー養父バイオエネルギーが運営するバイオメタン発酵により生成されるものと同等と想定する消化液を有機質肥料とした特別栽培米(但馬産コシヒカリ)を、「道の駅ようか但馬蔵」で、発売をしております。
なお、電力の原料は市内の畜産農家の畜ふんや食品加工会社の食品残渣を利用し、発電施設より生成される消化液は特別栽培米の他、野菜栽培にも使用されます。
『たじまのおこめ(但馬産コシヒカリ)』が、ひょうご安心ブランドの認証を受けました。
また、兵庫県の県北のコシヒカリは、一般財団 法人日本穀物検定協会の平成29 年産米の食味ランキングにおいて、
3年連続で特A評価を獲得しました
食味試験のランク・・・複数産地のコシヒカリのブレンド米を基準米とし、これと試験対象産地品種を比較して基準米よりも特に良好なものを「特A」としています。
ひょうご安心ブランド認証基準・・・次の3つの基準すべてを満たしたものを認証する。
ア『個性・特長』:環境に配慮した生産方法、品質等の個性や特長があること。次の、(ア)~(ウ)の何れかを確認できること。(ア)生産方法に関する個性・特長(※1)がある。※1環境への配慮等、生産者の努力及び工夫その他の生産方法(イ)味その他の品質に関する個性・特長(※2)がある。※2旬、味覚に係る成分、食感等(ウ)県民から高い信頼を得られる個性・特長(※3)がある。※3地域性(地域特産)、食べ方(調理方法等)、歴史等イ『安全性の確保』:食品衛生法等の法令基準が遵守されていること(※4)。※4申請段階及び小売段階で県が検査を実施して確認ウ『安心感の醸成』:生産者が生産履歴を開示する仕組みを整備していること。※安心ブランド農産物の個性特長は(ア)生産方法のみ確認。化学肥料・農薬は5割以上低減し、残留農薬を国の基準の10分の1以下とすること。
&Mまで、ワンストップサービスで長期安定的な運営管理をサポートする維持管理、契約サービスの提供を致します。