弊社では、2014年よりコロナ禍に入るまでは、ほぼ毎月のように中国の産地と加工工場を訪れておりました。コロナ禍になってからは、中国への渡航が制限されるようになり、WeChatやzoomといった通信手段を活用して生産活動の管理に努めて参りました。渡航制限が解除された今では、お互いの意思疎通や生産技術レベルが飛躍的に向上したこともあって、生産状況の確認、新商品の開発、品質向上に向けた生産の新たな取組などの商談で、年に数回訪問する状況となっております。
10年ほど前の中国は、様々な分野で近代化が遅れており、安心安全といったモラル意識も低く、特に衛生管理面においては、お世辞にも褒められる状況ではありませんでした。農業分野では2015年に食品安全法が制定されたことで、急激に近代化が進むようになり、食の安全管理の機運が急激に高まりました。使用農薬の制限、農場運営の近代化、栽培方法の指導、有機栽培なども積極的に促進されるようになり、生産者の、安全で美味しい農産物を作るという目的意識が高まっていることが、手に取るように感じとれていました。
今日での中国の農業は、有機栽培を積極的に取り入れた農場が多く見受けられるようになり、視察に行くと殆どの生産者は、栽培中の農作物をその場で抜き取って葉で土汚れを落として食べてみせ、美味しさと安全性をアピールしてきます。確かに、化学肥料をたくさん撒いた土壌は痩せてしまって、硬くて指も通りにくいのですが、視察した農場の何れも土壌に手を入れてみると、柔らかでほんのりと温かく、明らかに微生物がたくさんいるのだろうなという感じを受けます。このような土地が広大に広がる中、大規模な圃場を設け、地下水を汲み上げ定期的に散水するなど最適な栽培を行っているほか、管理作業や収穫も機械化が進み効率化が行われ、安定した品質の農作物が大量に生産されております。
中国からの、食品の安全基準が最も厳しいEUへの有機野菜の輸出量は、2019年には世界第7位となっており、年々その輸出量は伸びております。また日本においては、食の安全・安心財団によると、厚生労働省の公表データの“食品の輸入件数が多い上位5カ国の法令違反率”が低い国は、1位
フランス0.16%、2位 中国0.23%、3位タイ、イタリア(いずれも0.43%)、5位 米国0.49%となっております。
中国は断トツで輸入件数が多いにもかかわらず違反率は低いので「中国産の野菜は比較的安全」と言えるようです。
輸出入に関して
輸出する際には、中国のCⅠQ(税関
“Customs”、出入国管理 “Immigration”、検疫“Quarantine”)で輸出許可を受け、輸入元である日本でもCⅠQで厳格な輸入検査を受けており、食の安全性に関しては、厳しく管理されます。
検査不合格となった場合、シップアウトという処置が取られ、輸入元へ送り返されるような処置が取られます。この措置を受けた輸出元の会社は、日本のCⅠQから輸出国のCⅠQへ報告され、中国では、1年間の輸出禁止という厳しい制裁を受けることになります。 弊社では、輸入した商品の安全性を継続するため、定期的な菌検査も自主的に行い、安全性と品質の管理に努めております。
中国の農業に関する情報は、下記の記事にも掲載されておりますので、一読されることをお勧めいたします。
参考: Yahooニュースの記事